Journal of Materials Chemistry (IF=6.6) に津村さん,井上君,ニチバンとの共同研究の成果が掲載されました

Journal of Materials Chemistry Bに津村さん,井上君,ニチバン株式会社との共同研究(JST A-STEPシーズ顕在化による支援)の成果が掲載されました。

Shinji Sakai, Mika Tsumura, Mitsugu Inoue, Yukinori Koga, Kenji Fukano, Masahito Taya: Polyvinyl alcohol-based hydrogel dressing gellable on wound via co-enzymatic reaction triggered by glucose in the wound exudate, Journal of Materials Chemistry B, 1, 5067–5075 (2013).

溶液を傷口に塗布すると特別な操作を加えることなく短時間で傷口を覆う水を含むゲルシートが形成し、傷の治癒を促進するというあたらしいバンソウコウに関する論文です。

傷口から滲出する血液や体液にはグルコースが含まれています。今回の成果はこのグルコースを利用し、グルコースオキシダーゼと西洋わさび由ペルオキシダーゼの酵素反応を経て傷口を覆うものです。ラットを使用した検討では、市販のバンソウコウよりも短時間で傷が治癒しました。溶液状態で傷口に塗布するため、傷口の形状や広さを選ばず、さらにゲルを形成させるための操作を新たに行う必要がないため、新しいバンソウコウとして期待されます。

当研究室発の特許(ヒドロゲルの製造方法,特願2011-23145)を基にしています。