Heliyonに血管網含有組織の作製に関する劉助教の研究成果が掲載されました。

Yang Liu, Shinji Sakai, Masahito Taya; Engineering tissues with a perfusable vessel-like network using endothelialized alginate hydrogel fiber and spheroid-enclosing microcapsules, Heliyon, vol.2, e00067, 2016.

厚みのある三次元組織を生体外で作製する上で、細胞のライフラインとなる血管網様構造の付与は不可欠であり、世界中でそれに挑戦する研究がされています。本研究では、血管内皮細胞で覆われたヒドロゲルファイバーと、臓器細胞を含むカプセルを使って、組織全体に培養液を送達可能な、組織体を作製するための新しい方法を開発しました。

 なお、本研究の成果は、昨年、日刊工業新聞誌上にて紹介されています。

 日刊工業新聞

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1020140520eaaf.html

大阪大学大学院基礎工学研究科の劉楊(日本学術振興会特別研究員)、境慎司准教授、田谷正仁 教授らの研究グループは、ヒト肝臓由来の細胞を高密度で埋め込んだコラーゲンのゲル内に、直径0.01~0.05ミリメートル程のヒト血管細胞で構成される流路が複雑につながった毛細血管網状のネットワーク構造を再現し、そのネットワーク内に培養液を流通させることに成功しました。肝臓やすい臓などの大きな臓器を生体外で作ることに直結する成果であり、今後の発展が期待されます。