分子集合系計算科学セミナーを 12/5 に開催
第27回分子集合系計算科学セミナー
共催: 溶液化学研究会 若手の会,後援: 科研費学術変革領域研究(A)「メゾヒエラルキーの物質科学」
題目:環動・動的架橋ネットワークの粗視化分子動力学計算
講師:保田侑亮氏(東大新領域)
日時:12月5日(金)15:00ー
場所:ハイブリッド開催(大阪大学豊中キャンパス基礎工学研究棟講義室B102,Zoom)
要旨:一般的なゲル・ゴムは共有結合によって架橋された固定架橋網目を持つのに対し、近年、架橋点が一次元的にスライド可能な環動ゲルや、架橋点が可逆的に解離・再会合する動的架橋エラストマーが創成されつつある。これらは低弾性・高伸長性・強靭性(環動ゲル)、強靭性・自己修復性(動的架橋エラストマー)といった特異な物性を示すが、従来の固定架橋ネットワークとは構造が大きく異なるため、古典ゴム弾性理論を直接適用することができず、ダイナミクス・構造−物性相関は不明瞭であった。本研究では、環動ゲルおよび動的架橋エラストマーに対する粗視化モデルを構築し、分子動力学計算により架橋点のスライド性・会合解離ダイナミクスが網目の構造と力学応答に与える影響を評価した。環動ゲルでは、架橋点のスライドに由来するパラメータ N_slide、N_max により線形・非線形弾性を記述できることを示し、動的架橋エラストマーでは結合ポテンシャル形状が会合定数・結合寿命・自己修復速度に影響することを明らかにした。
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世話人:笠原健人(大阪大),石井良樹(北里大),肥喜里志門(立命館大),吉田悠一郎(大阪大),杉山佳奈美(京大)
分子集合系計算科学セミナーHP: https://sites.google.com/view/bunsisyugo/



