分子集合系計算科学セミナーを 11/22 に開催

第23回 分子集合系計算科学セミナー

(共催: 溶液化学研究会 若手の会,後援: 科研費学術変革領域研究(A)「メゾヒエラルキーの物質科学」)

講師:池田昌司氏(東京大学)

開催場所: ハイブリッド開催(大阪大学基礎工学研究棟講義室B201,Zoom)

開催日時: 2024/11/22 (金) 17:00–

講演題目: マヨネーズとガラスの隠れた関係 ーソフトジャム固体の粘弾性の解明ー

要旨: 柔らかい粒子が乱雑に充填された物質は、ソフトジャム固体と呼ばれる。マヨネーズなどのエマルションや、泡沫などが、ソフトジャム固体の好例である。ソフトジャム固体は粘弾性を示すが、その理解は困難であった。特に低周波数領域において、貯蔵弾性率が一定値に漸近する一方で、損失弾性率が周波数の平方根に比例することが知られていたが、この「異常粘性損失」の起源は理解されていなかった。本研究[1]では、ソフトジャム固体の粘弾性を理解することに成功した。我々はソフトジャム固体の典型例として高密度エマルジョンに注目し、粘弾性の微視的理論の構築と、マイクロレオロジー実験による粘弾性測定を行った。その結果、理論と実験が定量的に一致することを見出した。さらにこの理論により、ソフトジャム固体の異常粘性損失が、ガラスが普遍的に持つ低周波振動である「ボゾンピーク」に起因することが分かった。

[1] Y. Hara, R. Matsuoka, H. Ebata, D. Mizuno, A. Ikeda, arXiv:2402.00291 (2024).

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世話人:笠原健人(大阪大),石井良樹(北里大),肥喜里志門(立命館大),吉田悠一郎(大阪大),杉山佳奈美(京大)

分子集合系計算科学セミナーHP: https://sites.google.com/view/bunsisyugo/