分子集合系計算科学セミナーを 5/17 に開催
題目:生体分子の構造ダイナミクスと機能発現機構
講師:森俊文(九州大学)
日時:5月17日(金)15:00-16:30
場所:ハイブリッド開催 (大阪大学豊中キャンパス基礎工学研究棟講義室B401,Zoom)
要旨:
タンパク質はそれぞれ固有の立体構造を持つが、実際には溶液内および生体内で構造は大きく揺らぎ、ときに多様な状態をとる。タンパク質のこのような動きが酵素反応をはじめとした機能に重要であることは実験で明らかになっているが、実際に動きがどのように機能に寄与するかは十分に理解されておらず、これまで様々な論争が繰り広げられてきた。そこで、酵素反応を例にとり、分子シミュレーションを用いて自由エネルギー面と反応過程を詳しく調べることで、反応機構の詳細と、特に時間スケールのミスマッチから起こる過渡的状態の存在を明らかにした。さらに、タンパク質の動きがどのように状態遷移を誘起し、反応に寄与するかを解析することで、実験が示唆する酵素の遅い運動と反応のカップリングの分子起源に迫った。本発表では、これらを実現するために我々が開発してきた時間相関関数に基づく解析法について説明し、これらの解析から見えてくる生体分子の構造ダイナミクスと機能発現機構について紹介する。
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世話人:笠原健人(大阪大),石井良樹(北里大),肥喜里志門(立命館大),吉田悠一郎(大阪大)
分子集合系計算科学セミナーHP: https://sites.google.com/view/bunsisyugo/