分子集合系計算科学セミナーを 2/5 に開催

題目:高分子のガラス転移理論基礎と分子動力学シミュレーション
講師:杉澤宏樹(三菱ケミカル)

日時:2月5日(月)16:00ー17:00
場所:ハイブリッド開催 (大阪大学豊中キャンパス基礎工学研究棟講義室B201,Zoom)

要旨:
高分子のガラス転移はありふれた現象であるにもかかわらず、その定義は画一的ではなく、本当に「転移」現象であるのか明らかではない。とはいえ、実験や理論からいくつかのヒントは与えられており、例えば、液体状態から降温する際に極限までゆっくり冷却するとガラス転移点が低温側にシフトすることが知られており、人間が待つことのできる降温速度がガラス転移点を決定しているにすぎないという主張が存在する。一方、モード結合理論の視点では、過冷却液体からさらに降温することによりアルファ緩和が停止し、相関関数が無限の時間をかけてもゼロにならない転移温度が存在することが示唆されている(エルゴード-非エルゴード転移)。本セミナーでは、このガラス転移現象の実験的ヒント・基礎理論:つまり、エンジェルプロット、動的普遍性、自由体積理論、エネルギーランドスケープ理論、協同運動理論、モード結合理論を簡単に紹介することでガラス転移について俯瞰し、分子動力学シミュレーションを行うときの注意点について解説する。
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世話人:笠原健人(大阪大),石井良樹(北里大),肥喜里志門(立命館大),吉田悠一郎(大阪大)
分子集合系計算科学セミナーHP: https://sites.google.com/view/bunsisyugo/