分子集合系計算科学セミナーを 8/30 に開催

題目:積分方程式理論による混合液体・溶液の相平衡と混合熱力学量の研究
講師:山口毅(名古屋大学大学院工学研究科)

日時:830日(水)1600
場所:ハイブリッド開催 (大阪大学豊中キャンパス基礎工学研究棟講義室B103Zoom)

要旨:混合液体や溶液の相平衡と混合熱力学量は化学プロセスの設計に重要であり、近年では細胞内で起こる液液相分離現象が生体機能との関係から興味を集めている。液体の積分方程式理論は熱力学極限を取った後の相関関数を扱う理論であり、分子シミュレーションとは異なり有限システムサイズの影響を受けないことから、熱力学極限で起こる現象である相平衡を扱うために適した手法であると考えられる。我々は混合ギブズエネルギーがGibbs-Duhem式を満たすことを要請して混合系の密度を決定することで、積分方程式理論で得られた溶媒和自由エネルギーから熱力学的健全性を満たす混合ギブズエネルギーを計算する手法を開発し、水―アルコール混合液体、塩析による液液相分離、高分子溶液への応用を行った。本セミナーではこれらの研究結果について紹介すると共に、本手法の限界と問題点についても議論したい。
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世話人:笠原健人(大阪大),石井良樹(北里大),肥喜里志門(立命館大)

分子集合系計算科学セミナーHP: https://sites.google.com/view/bunsisyugo/