分子集合系計算科学セミナーを 3/24 に開催

題目:ダイマー系のJohari-Goldstein beta緩和:実空間・エネルギー地形・振動
白石薫平(東大院総合文化)

日時:3月24日(月)16:00ー17:00
場所:オンライン(Zoom)

要旨:
分子性過冷却液体の緩和動力学は複数の過程から構成される。主要なものは、alpha緩和とJohari-Goldstein (JG) beta緩和である。JG beta緩和は、alpha緩和よりも短時間の時間スケールで進む過程であり、多くの実験で普遍的に観測される。ガラス転移に本質的な性質だと考えられているが、実験研究に比べると、その起源や性質に関する理論的・数値的研究はあまり進んでいない。その理由は、過去の数値研究のほとんどが依拠する等方粒子モデル(球や円盤)には、JG beta緩和が出現しないからだ。我々は、JG beta緩和を示す最もシンプルなモデルである非対称ダイマー粒子の分子動力学シミュレーションを行い、この系が示す緩和過程を詳細に調べた。本発表では、各過程に対応する実空間運動の分類、理論的に提唱されていたが検証されていなかった階層的エネルギー地形、低周波数振動と緩和予言能の3点に関して議論する。
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世話人:笠原健人(大阪大),石井良樹(兵庫県立大)
分子集合系計算科学セミナーHP: https://sites.google.com/view/bunsisyugo/