分子集合系計算科学セミナーを 12/6 に開催

                第3回 藤井香里博士セミナー(同志社大学理工学部)

開催日時 : 2021年12月6日(月) 16:00 - 17:00

講演題目 : 時間分解分光測定によるイオン液体中の化学反応素過程の観測

開催地 : オンライン (Zoom)

申し込みサイト
(参加費無料,申し込み期限:12月5日12:00)
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeBFoOayN0vYPR7NK0E57JspeIUzHYt2YDkH4alAhwM3TowyA/viewform?usp=sf_link

要旨:イオン液体は、塩でありながらも低融点であることから、新規化学反応溶媒としての研究がさかんに進められてきた。イオン液体の極性、粘度などの性質は、イオン液体を構成するカチオン、アニオンの組み合わせやカチオンのもつアルキル炭素鎖数によって変化する。したがって、イオン液体中における溶質分子の化学反応の平衡状態や反応速度はイオン液体の構成イオン種やその分子構造によって変化するケースがほとんどである。一方で、本セミナーで取り上げるイオン液体中におけるジスルフィド化合物の光解離反応では、これまでの報告と異なる興味深い実験結果が得られた。光解離過程におけるイオン液体の再配向過程はイオン液体の種類によらず、さらに解離生成物(チイルラジカル)の再結合過程においてもその収率がイオン液体の粘度に依存しないことが明らかとなった。本セミナーでは、光解離反応にともなうイオン液体の溶媒和ダイナミクスと解離生成物の再結合ダイナミクスを光解離反応後の時間分解蛍光スペクトル、過渡吸収スペクトル測定によって観測した結果を紹介し、イオン液体中における光解離反応がこれまで報告されてきた他の反応素過程とどのような点で異なるのかを、分子動力学計算などによる計算手法も交えて考察する。

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世話人:笠原健人(大阪大),石井良樹(兵庫県立大)
分子集合系計算科学セミナーHP: https://sites.google.com/view/bunsisyugo/