触媒設計学グループ（水垣研究室）

【プレスリリース】＼鉄なのに高性能！／アミン合成を革新する高活性・高耐久性の鉄系固体触媒を開発

当研究室の成果が２０２５年４月１６日（日本時間）に「Journal of the American Chemical Society」誌に掲載され、その成果のプレスリリースを行いました。

"Highly Active and Air-stable Iron Phosphide Catalyst for Reductive Amination of Carbonyl Compounds Enabled by Metal–support Synergy"

Journal of the American Chemical Society, 2025, 147(7), 14326-14335.

T. Tsuda, H. Ishikawa, M. Sheng, M. Hirayama, S. Suganuma, R. Osuga, K. Nakajima, J. N. Kondo, S. Yamaguchi, T. Mizugaki, and T. Mitsudome

【研究成果のポイント】

医薬品中間体やポリマー原料に不可欠なアミンを合成するために重要な、カルボニル化合物の還元的アミノ化反応において、従来の300倍以上の高活性かつ高耐久性を備えた鉄系固体触媒の開発に世界で初めて成功。
鉄は持続可能な究極の触媒基材とされる一方、不安定性と著しい低活性という課題が、鉄触媒の実用化を長らく妨げてきたが、開発したリン化鉄ナノ結晶（Fe₂P NC）は、これら両課題を克服。空気中でも安定で、再使用も可能な触媒を実現。
枯渇が懸念される稀少金属に依存しない触媒技術として、資源循環型社会に向けた持続可能な化学の実現に貢献。