【新聞掲載】エステル→エーテル化 阪大、水素活用の変換触媒

【新聞掲載】エステル→エーテル化 阪大、水素活用の変換触媒

エステル脱酸素化の触媒開発に関する研究成果が、2022年3月1日付けの日刊工業新聞に掲載されました。

日刊工業新聞 2022年3月1日

記事タイトル「エステル→エーテル化 阪大、水素活用の変換触媒」 

本研究成果は、2022年2月24日に米国化学会誌のJACS Au(オンライン)に掲載されました。

タイトル:“Selective Hydrodeoxygenation of Esters to Unsymmetrical Ethers over a Zirconium Oxide-Supported Pt–Mo Catalyst”

著者名:K. Sakoda, S. Yamaguchi, T. Mitsudome, T. Mizugaki

内容

本研究グループでは、約2.4ナノメートルの白金ナノ粒子とモリブデン酸化物を酸化ジルコニウム上に担持した固体触媒を開発し、この触媒が1~5気圧の水素圧、100℃の温和な反応条件下で、様々なエステルをエーテルへ高選択的に還元できることを見出しました。さらに、バイオマス由来の脂肪酸エステル(バイオディーゼルやトリグリセリド)を、対応するエーテルへと効率的に変換するなど、これまでの合成法では困難であった様々な非対称エーテルの合成が可能となりました。反応後は、遠心分離により生成物と触媒を簡単に分離でき、生成物を取り出すことができます。さらに、回収した触媒を再使用しても触媒の活性低下は見られず、繰り返し使用可能であり、実用的な観点からも非常に有用性の高い触媒です。