【新聞掲載】硫黄化合物の脱酸素触媒、硫黄成分への耐性向上 リン化で活性10倍 阪大が成功

【新聞掲載】硫黄化合物の脱酸素触媒、硫黄成分への耐性向上 リン化で活性10倍 阪大が成功

スルホキシド脱酸素化の触媒開発に関する研究成果が、2022年1月17日付けの日刊工業新聞に掲載されました。

日刊工業新聞 2022年1月17日

記事タイトル「硫黄成分への耐性向上 リン化で活性10倍」 

本研究成果は、2022年1月12日に米国化学会誌のJACS Au(オンライン)に掲載されました。

JACS Au, 2022, 2, 2, 419–427.

タイトル:“Phosphorus-Alloying as a Powerful Method for Designing Highly Active and Durable Metal Nanoparticle Catalysts for the Deoxygenation of Sulfoxides: Ligand and Ensemble Effects of Phosphorus”

著者名:H. Ishikawa, S. Yamaguchi, A. Nakata, K. Nakajima, S. Yamazoe, J. Yamasaki, T. Mizugaki, T. Mitsudome

内容

私たちのグループでは金属を他の原子と合金化・複合化することによって、どのような触媒能が発現するのかを研究しています。最近では、非貴金属のコバルトやニッケルをリン化することで安定性と活性が向上し、様々な液相での分子変換反応が進行することを明らかにしています。今回は、貴金属とリンの合金化に関する研究を行ったところ、スルホキシドの脱酸素反応において活性と耐久性が著しく向上することを見出しました。今後、この硫黄耐性を利用し、硫黄を多く含むゴムの機能化など、これまで硫黄の被毒によりうまく進行しなかった反応に対して適用性を拡張していくと同時に、合金化による新たな機能の創出及び、機能発現メカニズムの解明に取り組んでいきます。