【新聞掲載】高活性なリン化コバルトナノロッド触媒 「化学工業で重要」カルボニル化合物のアミノ化反応を変える

還元的アミノ化の触媒開発に関する研究成果が、2021年4月30日付けの科学新聞に掲載されました。

科学新聞2021年4月30日

記事タイトル「高活性なリン化コバルトナノロッド触媒 「化学工業で重要」カルボニル化合物のアミノ化反応を変える 阪大が開発に成功」 

本研究成果は、2021年4月8日に米国化学会誌のJACS Au(オンライン)に掲載されました。

JACS Au, 2021, 1(4), 501-507. (open access)

タイトル:“Single-Crystal Cobalt Phosphide Nanorods as a High-Performance Catalyst for Reductive Amination of Carbonyl Compounds”

著者名:Min Sheng, Shu Fujita, Sho Yamaguchi, Jun Yamasaki, Kiyotaka Nakajima, Seiji Yamazoe, Tomoo Mizugaki, Takato Mitsudome

内容

当研究グループでは、持続可能な社会の実現に向け、安全性・耐久性・高活性を兼ね備える次世代型触媒(スマート触媒)の開発を行っています。現在の化学工業で使われる水素化反応用の触媒は、安価な非貴金属を使用し、発火性があるため危険であり、さらに活性が低いという問題点があります。今回私たちは、コバルトにリンを加え独自の手法で合金化・ナノ化させることで、上記の問題点を全て克服した、安定かつ高活性なナノ触媒という“非常識な触媒”を作ることに成功しました。次世代の触媒プロセスではこのような安全性・耐久性・高活性を兼ね備えるスマート触媒が“新しい常識”になっていくと予想されます。