【新聞掲載】安全・安価でアミンへ変換 阪大、高効率触媒を開発

ニトリル水素化の触媒開発に関する研究成果が、2020年6月17日付けの日刊工業新聞に掲載されました。

日刊工業新聞2020年6月17日

記事タイトル「安全・安価でアミンへ変換 阪大、高効率触媒を開発」 

本研究成果は、2020年6月9日に英国化学会誌のChemical Science(オンライン)に掲載されました。

Chemical Science, 2020, Just Accepted. DOI: 10.1039/D0SC00247J

タイトル:“A cobalt phosphide catalyst for the hydrogenation of nitriles”

著者名:Takato Mitsudome, Min Sheng, Ayako Nakata, Jun Yamasaki, Tomoo Mizugaki, Koichiro Jitsukawa

内容

当研究グループでは、新規な触媒開発を通して環境・エネルギー問題の解決に貢献したいと考えています。本研究では、コバルトとリンから構成される非常に小さな合金ナノ粒子を作ることに成功し、その合金ナノ粒子がニトリルからアミンへの水素化反応を非常に効率よく進行させる触媒であることを見出しました。これまでの触媒は、発火性があるため危険で、かつ触媒活性が低く反応を促進するためには高い水素圧が必要でした。一方、本触媒は発火性がなく大気中で安定、かつ従来の触媒よりも20~500倍の触媒活性を示し、さらに非貴金属で初めて常圧水素(1気圧)下で反応が進行します。また、反応後の触媒はろ過により回収でき、再使用しても活性は低下しません。本研究成果から生み出される、省エネルギーかつ安全で、有害な廃棄物を排出しない触媒反応プロセスの開発が環境に調和した持続可能な社会の構築に貢献できることを期待しています。