[メディア報道追加] 廃棄物と水から水素を生成する触媒の開発
工業廃棄物であるヒドロシラン類と水から次世代エネルギーである水素を効率的に発生させる触媒に関する研究成果が、 日刊工業新聞11月28日付「科学技術・大学」面(20頁)と大学ジャーナルオンライン(11月30日付)に掲載されました。
・日刊工業新聞11月28日付「科学技術・大学」面(20頁)
記事タイトル「阪大、廃棄物と水から水素生成する触媒開発-携帯型発生装置開発へ」
・大学ジャーナルオンライン11月30日付
URL http://univ-journal.jp/10752/
記事タイトル「大阪大学、廃棄物と水から水素を生成する触媒技術を開発」
内容 本研究では、1.9nmの非常に小さな金ナノ粒子を作ることに成功し、その金ナノ粒子がシリコーン工業の廃棄物と水という安価な材料から効率的に次世代エネルギーである水素を作り出す触媒になることを発見しました。
動画にあるように工業廃棄物であるヒドロシラン類を含む水に開発した触媒を加えると、外部エネルギーを一切必要とせず、室温・大気中で簡便に多量の水素を生成できます。さらに、開発した触媒が固体である利点を生かし、触媒を反応液に出し入れすることで水素発生のオン・オフ制御が可能となる水素生成系を世界で初めて提案しました。
本研究成果により、必要な場所で、必要なときに、必要な分だけ水素を取り出すことができる小型・軽量の次世代型水素キャリアシステム(ポータブル水素発生装置)への応用・実用化が期待されます。例えば、非常に小型かつ軽量という利点を生かし、スマートフォンの充電等の用途に使用されるポケットサイズ燃料電池の水素生成部に組み込むことができます。また、安定な化合物で構成されているため、これまでの電池やバッテリーと比べて経年劣化の心配がなく、災害時などの非常用電源として避難所などに常備・長期保管しておくこともできると思われます。
本研究成果は、2016年11月24日19時(日本時間)に英科学誌Natureの姉妹誌「Scientific Reports」(オンライン)に掲載されました。
タイトル:“On-demand Hydrogen Production from Organosilanes at Ambient Temperature Using Heterogeneous Gold Catalysts”
著者名:Takato Mitsudome, Teppei Urayama, Taizo Kiyohiro, Zen Maeno, Tomoo Mizugaki, Koichiro Jitsukawa and Kiyotomi Kaneda
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