廃棄物から水素エネルギーを取り出す新触媒を開発 (動画あり)
工業廃棄物であるヒドロシラン類と水から次世代エネルギーである水素を効率的に発生させる金ナノ粒子触媒を開発することに成功しました。
水素が生成する動画↓
本研究成果は、英科学誌Natureの姉妹誌「Scientific Reports」に掲載されました。
タイトル:“On-demand Hydrogen Production from Organosilanes at Ambient Temperature Using Heterogeneous Gold Catalysts”
著者名:Takato Mitsudome, Teppei Urayama, Taizo Kiyohiro, Zen Maeno, Tomoo Mizugaki, Koichiro Jitsukawa and Kiyotomi Kaneda
論文は無料で閲覧可能です↓
http://www.nature.com/articles/srep37682
プレスリリースしました↓
http://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2016/20161124_2
内容
工業廃棄物であるヒドロシラン類を含む水に、固体の金ナノ粒子触媒を加えると、水素が効率よく生成することを発見しました。
反応液からの分離が簡単であるという固体触媒の利点を生かし、触媒を反応液に出し入れすることで水素発生のオン・オフの制御ができることを世界で初めて提案しました。
この触媒系は熱などの外部エネルギーを一切必要とせず、室温・大気中で簡便に多量の水素を生成できます。
また、ヒドロシラン、水、触媒から本系が構成されているため、水素を加圧により貯蔵するボンベなどと比べて非常に小型かつ軽量で簡単に持ち運びができるという利点があります。
これらのことから、必要な場所で、必要なときに、必要な分だけ簡単に水素エネルギーを取り出すことのできる次世代型水素キャリアシステム(ポータブル水素発生装置)としての応用・実用化が期待されます。